【観劇レビュー】2019 ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル ブロードウェイ版 (Moulin Rouge! the Musical (BW)) のレビューとあらすじ

ブロードウェイで人気沸騰中の新作ミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』。すっかりはまって、ボストンから通算すると観劇回数が20回を超えてしまった(そしてまた観に行く)管理人がレビューとあらすじをお送りします。

【ネタバレ注意】このページの最後には、ネタバレ全開のあらすじが掲載されています。ミュージカルの物語は映画とは一部異なりますので、未見の方はご注意ください。

【転載禁止】まとめサイト等への転載はご遠慮ください。


『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』(2018年ボストン初演)は、2001年のバズ・ラーマン監督による映画『ムーラン・ルージュ』(Moulin Rouge!)の舞台化。演出家のアレックス・ティンバースAlex Timbers(2度のトニー賞ノミネート、『ビートルジュース』)と脚本のジョン・ローガンJohn Logan(映画『グラディエーター』『アビエーター』の脚本でアカデミー賞ノミネート)は、映画の絢爛豪華な世界観はそのままに、精神的に成熟し自立した新時代のヒロインを配して、新しい切り口で物語を編み上げました。


キャストとクリエイティブチームは実力派揃い

クリスチャンを演じるのはアーロン・トヴェイトAaron Tveit。アメリカからパリにやってきた若い作曲家の純真で一途な恋と心の成長を演じ、ニューヨークタイムズの劇評では「この役をやるために生まれてきた」と絶賛されました。そうでしょうそうでしょう😍。みんなサティーンのように恋に落ちるといいよ。アーロンの経歴は→こちら

サティーンはカレン・オリヴォKaren Olivo。ムーランルージュのスーパースターであり踊り子たちから姉のように慕われる、賢くて芯の強いサティーンを演じます。愛は仕事と割り切っていた彼女が思いがけぬ恋に落ち、二つの価値観の間で揺れながらも、命を賭けて家族である仲間やクリスチャンを守ろうとする気高さに心打たれます。
ウエストサイドストーリーのアニタ役でトニー賞を受賞したカレンの歌とダンスは圧巻です。

2020年4月、カレンはBWが再開しても舞台には戻らない、と宣言しました。
Covid-19によるブロードウェイ閉鎖の最中に、映画・演劇界の大物プロデューサーによる常態化した部下への虐待が明らかになりました。当該プロデューサーはムーランルージュに関わっていないものの、現在進行中の数多くのミュージカル、映画、BW復興イベントの要とされていたためBW業界は沈黙。それに抗議してカレンは降板を宣言。「社会正義はスパークリング・ダイアモンドであることよりも重要です」「私のポケットにお金を入れることより、学生たちのためにより良い業界を作ることが大切なのです」と、これから舞台を目指す若者たちのために業界の浄化を訴えました。
これに多くの告発や俳優からの降板宣言が続き、当該プロデューサーは手がけていたショーから手を引き、Broadway Leagueを辞任。カレンは今後も業界内の差別や虐待を解消する活動を続けるそうです。
舞台のサティーンはまさに彼女の人間性から生まれたキャラクターだと言えるでしょう。

楽曲は映画と同様に、聞き覚えのあるヒット曲が物語を進行するジュークボックス・ミュージカル。映画で使用された曲に公開後の約20年間にヒットした曲も加えて、キャストアルバムに使用されただけで52曲、舞台ではこれ以外にセリフがわりに一節だけ使われる曲もあるので、総計では70曲以上が使われています。過去の膨大なヒット曲のなかから、よくまあ歌詞がこんなにピッタリとキャラクターの心情に合う曲を見つけてうまく組み合わせたものだと、音楽担当のジャスティン・リーバインJUSTIN LEVINEの手腕には舌を巻きます。

注目の新進気鋭の振付家ソニア・テイエSONYA TAYEHの極めてドラマチックな振り付けを、BWのトップダンサーたちが完璧に踊りきる群舞は壮観です。衣装はトニー賞の常連キャサリン・ズーバーCATHERINE ZUBER。品良く官能的で、キャラクターの美しさを際立たせ内面がにじみ出るような衣装です。セットデザインは舞台の他に長年アカデミー賞授賞式の華麗なセットを担当してきたデレク・マクレーンDEREK MCLANE。繊細なレースを組み合わせたような緻密な舞台セット、赤い風車と大きな青い象。劇場に足を踏み入れた途端に、美しく毒を含んだムーランルージュの世界に取り巻かれて陶然となります。


映画とは一味違う舞台版ムーランルージュ

映画の前時代的な「真実の愛と夢を追い求めた薄幸の籠の鳥」のロマンチックな悲劇の物語や、映画特有の映像表現に思い入れのある方は、舞台は映画とは別物と留意された方がいいかも。ニコール・キッドマンやユアン・マクレガーは出てきませんし、登場人物全員が抱えていた処女性に執着する(女は関係を持った男のモノ的な)価値観は物語から排除されています。嫌な公爵をボカーンと殴って愛が実ってめでたし系のカタルシスはありません。

バズ・ラーマン監督は舞台版の制作にあたり「映画のカーボンコピーにはしないでほしい」と要望し、出来上がったこの作品を「映画に敬意を払った素晴らしいアダプテーション」と高く評価しています。個人的には、思い切った価値観アップデートをしたおかげで舞台の将来性やロングランの可能性が広がったと思います。

目もくらむ華やかなパフォーマンス、コミカルなシーンで大笑いし、素晴らしい歌声にうっとりとする。それだけでも十分に価値のある舞台です。そして一旦ステレオタイプのメガネを外して観ると、過剰なまでに豪奢な世界の底に澱んだ抑圧、キャラクターたちが自分の選んだ道を主体的に生きようとしても、社会の構造的な差別によって叶わずに葛藤に陥っていく姿が見えてきて、現代の私たちを映す鏡のようです。この二面性が中毒になるのかも(笑)。

"Why else live if not for love?"が舞台のテーマ。どんな愛が誰の人生をどのように変え、どう救うのか。愛し愛される恋人同士のみならず家族の愛や仲間への愛情にまで想いは広がり、人生における出会いについて考えさせられる作品です。

現実の世界に現れた『ムーラン・ルージュ』。その魅力にとりつかれて、放蕩者のように足繁く通ってしまいます。おすすめです。


劇場

AL HIRSCHFELD THEATRE 302 W. 45TH ST. Between 8th Avenue & 9th Avenue(地図)

上演時間

2時間35分(幕間15分)

公式サイト

https://moulinrougemusical.com/new-york/home/

チケット入手方法🎫

2021年9月24日からショーを再開。アーロンは2022年5月8日に卒業。

  1. 公式オンライン・電話 定価+手数料 渡航前購入可 座席選択可→ SeatGeek
    ・手数料が結構高いのがネック。しかしオンラインなら英語を話せなくても渡航前に好きな席が確保できる安心感・満足感は大きい。
    ・リセール席は定価より高い場合があるので注意。
    ・公演の5〜7日前に、ハウスシートとして保留されていたプレミアムエリアの座席の売れ残りが購入できるようになる。
  2. 劇場窓口(Box Office)で直接購入 定価 座席選択可 
    ・窓口オープン時間 月〜土: 10 AM - 8 PM 日: 12 PM - 8 PM
    ・購入手数料が安い。あらかじめオンラインで空席と値段を確認してから窓口で購入すれば納得できる席を買えそう。
    CANCANシートはオンラインではペア(2枚)からしか購入できないが、窓口ならシングルで売ってくれる(2022年5月現在 CANCANシートはオンラインでもシングル購入可能)
    ・カウンターの人が「この席が一番安いよ」など教えてくれることもあるそうです。相談してみよう!
  3. ロッタリー(抽選)  $29 現地時間で公演前日の午前11時までにエントリー、12時に抽選、当たったら公演前日の16時までに購入 座席選択不可 公式サイト→LUCKY SEAT
  4. キャンセル待ち 定価?(定価より安い場合もあり?) 当日窓口販売 座席選択不可
  5. スタンディングルームシートSTANDING ROOM SEATS(立ち見席)  $50
     マチネ10:30 ソワレ14:30より窓口で販売(ただし毎回ではない) 
     詳細は公式サイトFAQ→ 劇場公式サイト
  6. Care-Tix 定価+寄付 Broadway Cares/Equity Fights AIDSに定価と同額の寄付をする、つまり額面の2倍支払うことで、プレミアムシートやハウスシートを手配してくれる。メールでのやり取りが必要。詳細はCare-Tixサイトへ→Care-Tix

アーロンの休暇情報

 2020/2/25 - 3/1, 2021/4/9 -11


(2019.12.13)上記以外にも、旅行代理店などでチケット購入の代行も行われている。割引価格??+手数料 渡航前購入可 座席指定不可。支払いは日本語で行いたくて座席には全くこだわりがない(後ろでも端でも舞台が見えればOK)、という場合は検討対象になるかもしれない。チケット引き取りは自分で劇場窓口で行う。

チケット代行の中には$100以上の大幅ディスカウントができるように書かれているサイトもある。しかし「ムーランルージュに限って言えば」、公式チケットサイトの同日同エリアと比較してみると、手数料合計すれば表向き書かれているほどの値引きにはならなかったり、日によっては公式の方が安いのでは?と感じた。(下図参照)

仕組みがわからないのでなんとも言えないが、サイトの表記通り$350▶$199〜とか$269~▶$129~になるのは、極めて限られた日程ではないだろうか。割引を狙うというより日本語翻訳代込みと割り切るか、公式とよく比較検討してから申し込んだ方が良さそう。

【例】左:「ディスカウント」チケット:オーケストラ(プレミアム除く)orメザニン前方で$285.7+手数料 座席選択不可 右:公式チケット:オーケストラ中後方orメザニン前方は$229+手数料$22.2 、センター3列目(プレミアムシート)は$259.0+手数料$23.2 座席選択可



あらすじ

【ネタバレ注意】以下、物語のラストまで掲載していますので、ネタバレを読みたくない方はご注意ください。


【転載禁止】まとめサイト等への転載はご遠慮ください。

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』公式Youtubeチャンネルが音源(19曲中15曲)を無料で公開。プレイリストはこちら

(All Photos by Murphy Made

第一幕

パリ、1899年。ムーランルージュの幕が上がる。ナイトクラブであり、ダンスホール、劇場でもある夢の空間。四人の美しい踊り子、ニニ、アラビア、ラ・ショコラ、ベイビードールと、ムーランルージュの興行主ハロルド・ジドラーが観客を歓迎する。

カンカンで盛り上げた後に、ジドラーはムーランルージュのパトロンを紹介する。上流階級のデューク(モンロー公)、そしてボヘミアンのクリスチャン、トゥールーズ・ロートレック、サンティアゴ。(”Welcome To The Moulin Rouge”)


いよいよムーランルージュのスターが登場するというまさにその時、クリスチャンはショーを止めて時を戻し、我々を全てのはじまりの場所に連れて行く。

モンマルトルの路上、アメリカからパリに着いたばかりのクリスチャンが現れる。彼はすぐに大芸術家のトゥールーズ・ロートレックとアルゼンチン人のタンゴダンサー(そしてジゴロ)のサンティアゴに出会う。

ロートレックとサンティアゴは、ショウの音楽を作るのに四苦八苦していた。二人はクリスチャンが才能あふれるソングライターだと知ると、偉大な理念に加わりボヘミアンの理想に生きるよう誘う。(”Truth Beauty Freedom Love”) 

彼らはその晩ムーランルージュに行き、クリスチャンが作った歌でクラブの歌姫サティーンのオーディションを受けることにする。

場面はナイトクラブに戻り、ついにスターのサティーンが登場する。(”The Sparkling Diamond”) 

歌っている間、サティーンが病気であることが垣間見える。それでも彼女のパフォーマンスはデュークとクリスチャンを魅了する。

ジドラーは、デュークの気前の良さがムーランルージュを逼迫した経済的苦境から救ってくれることを期待して、ショーの後に象の部屋でデュークとサティーンが内密に会えるよう段取りをする。ところがサティーンはクリスチャンをデュークと思い込み、ダンスフロアで誘惑に取り掛かる。(”Shut Up And Raise Your Glass”)


バックステージでは踊り子たちが、ムーランルージュの今にも潰れそうな経済状態について話している。街娼には戻りたくないと泣く踊り子を、サティーンは「私がそんなことはさせないわ」と勇気づける。踊り子たちが去るとジドラーがやってきて、皆が最も恐れていたことを認める。サティーンがデュークの誘惑に成功しなければ、ムーランルージュは潰れて皆は路上に戻ることになる。支度のために一人残ったサティーンは、自分を奮い立たせる。(”Firework”)


象の部屋でサティーンがデュークのために支度をしていると、クリスチャンがやってくる。まだ彼をデュークだと思い込んでいるサティーンは、彼女へのラブソングでオーディションを受けるつもりのクリスチャンに調子を合わせる。(”Your Song”)

クリスチャンの歌を聞いた瞬間、サティーンは自分の世界が変わったことに驚く。商売を忘れて彼に心を奪われ、その歌は本物の愛の告白になる。彼らがキスをしたその時、ジドラーが本物のデュークを連れてドアをノックする。

クリスチャンの正体がわかったサティーンは驚き、そこへロートレックとサンティアゴが飛び込んできて、部屋に入ってきたジドラーとデュークは奇妙な光景を目にする。ボヘミアンたち、サティーン、ジドラーは一つの物語をでっち上げ、デュークに、ここに連れてきたのは資金援助ができるショウのアイディアを売り込むためだと語る。(“So Exciting! [The Pitch]”)


デュークは意外にも同意し、ジドラーと話をするために去る。サティーンはクリスチャンに、パリの娼婦など忘れるのが彼のためだと言う。思いがけぬ言葉に彼は落胆して部屋を去る。デュークが象の部屋に戻り、サティーンは彼のものだと断言する。(“Sympathy For The Duke”)

モンマルトルに戻ると、ロートレックは傷心のクリスチャンを慰めようとサティーンの悲しい生い立ちと、告白しなかった彼の愛を語る。(“Nature Boy”) 彼はクリスチャンに彼の轍を踏まず、彼女のために戦えと促す。

ムーランルージュでは、デュークがショウに資金援助をするだけでなくムーランルージュそのものとそこにいるすべての人々を買うことに、ジドラーが合意する。デュークは今やサティーンを所有している。

クリスチャンはこっそり象の部屋のサティーンの元に戻る。彼は彼女に愛を誓い、彼女が生活のためにデュークと暮らすとしても、僕たちは恋人になろう、と懇願する。「愛がなくてどうして生きられる?」サティーンはバカじゃないのとそれをはねつける。

彼女は彼を愛することに恐れを抱いているが、二人の本当の気持ちには抗えず、互いに愛を告白し最後に劇的なキスをする。(“Elephant Love Medley”)


第二幕

幕が上がるとムーランルージュのバックステージ。そこで観客は秘密の恋の苦しみに深くもがいているのがクリスチャンとサティーンだけではないことを発見する。ニニとサンティアゴは情欲的なパ・ド・ドゥを踊る。

それを中断するのは、大きなショウに向けて踊り子たちがリハーサルを始める時だけだ。(Backstage Romance)


リハーサルが続いている間、デュークは、このショウが彼の知らないところで進行している恋の三角関係とパラレルであることに気付かずに見ている。デュークがロートレックに演劇部分をもっと変えるように注文を付けると、険悪になってリハーサルは中断する。踊り子たちは解散するが、ニニはサティーンと話をするために残り、デュークの危険な噂を彼女に警告する。話をしているうちに、サティーンの病状がいっそう悪くなっていることが明らかになる。

ロートレックの屋根裏部屋にサティーンが訪れ、クリスチャンにデュークのことを警告し、ふたりの関係を終わらせようとする。クリスチャンは聞き入れず、代わりにふたりだけの秘密の愛の歌を書く。(“Come What May”)

「もう一つのパリ」、裕福な者たちの住むパリで、サティーンはデュークと会う。彼は彼女のために城を買い、召使いをつけ、クラブをやめる代わりに日々を贅沢に過ごせるようにする。デュークがサティーンを高級なドレスショップに連れて行くと、不気味なクチュリエたちが彼女を着飾らせて、デュークの思い描く真の淑女にする。(“Only Girl In The Material World”)

サティーンとデュークはリハーサルに戻る。サティーンが着飾っていることがクリスチャンには気に入らない。リハーサルが進むと、デュークは何度も中断して口を挟み、ロートレックを激怒させる。クリスチャンは口を滑らせて、彼とサティーンの関係を明かすようなことを言ってしまう。デュークは烈火のごとく怒って出て行き、ロートレックも同様に出て行く。サティーンはクリスチャンを責める。彼は傷ついて取り残される。

ジドラーと踊り子たちはサティーンに、デュークと一緒にいて事態を修復しクラブを救ってくれるよう説得する。彼女は突然激しく咳き込み、ついに診断結果が結核だったことを明かす。彼女の命が尽きるのは時間の問題だが、ショウを続けると誓う。


ジドラーは踊り子たちと一緒にロートレックの屋根裏部屋を訪ねてクリスチャンを励ます。彼はクリスチャンにサティーンを忘れるよう説得を試みる。彼の記憶から彼女を焼きつくすために、彼らはアブサンに溺れる。(“Chandelier”) 

皆騒がしく酔っ払い、クリスチャンはサティーンにそっくりな緑の妖精の幻を見る。

泥酔した幻覚の中で、クリスチャンはジドラーの警告を聞く。最も高値をつけた者に自分を売る女と恋に落ちるのは危険だ、と。デュークの居宅に向かって街路をさまよいながら、クリスチャンは錯乱してニニ、サンティアゴ、パリに住まう者たちが彼の周りで激しいタンゴを踊るのを見る。(“El Tango De Roxanne”)

デュークの邸宅では、デュークがサティーンに、クリスチャンを捨てろ、さもないとクリスチャンを殺しムーランルージュを潰すと詰め寄っている。

そこへクリスチャンが、ひどく酔って飛び込んでくる。彼はサティーンを迎えにきたのだが、彼女は彼とムーランルージュを救うために、彼を拒絶する。二人はともに深く傷つく。


クリスチャンは心を打ち砕かれて崩壊し始める。(“Crazy Rolling”) 

劇場ではサティーンの病状がますます進んでいた。ジドラーの懇願も聞かず、彼女はその夜の舞台に立つと言い張る。クリスチャンの歌がこの世に出る大切な日を台無しにできない、と。

一方クリスチャンは路上で、ショウで使う小道具の拳銃に込める銃弾を手に入れる。

ショウを始める準備が整うと、デュークがサティーンへの花束を抱えてバックステージに現れる。彼女は別れを告げ、彼は激怒して去る。ロートレックは心を打たれ、サティーンが死に瀕していることを知り、彼女の名を不朽のものにすると約束する。

ショウが進む。ドラマチックな愛のシーンで、クリスチャンは拳銃を引き抜き自分自身に向ける。サティーンは彼にふたりの歌を歌いかける(Your Song Reprise) 。

愛が打ち勝ち、彼の心は解ける。二人は互いを抱きしめるが、それはサティーンが病に倒れる前の最期のひと時だった。サティーンはクリスチャンに、ふたりの物語を伝えて、と約束させる。そうすればふたりはいつも一緒だと。彼女は彼の腕の中で安らかに息をひきとり、皆がふたりの愛の歌を歌う。(“Finale [Come What May]”)


エンディングはお祭り騒ぎ。全員が最後の一曲のために戻ってくる。(“More More More! [Encore]”)

オタク度100%のボストン版あらすじはこちら↓