【MR!ラストウィークレポ】2022.05.08 Moulin Rouge! アーロンラストショー

May 8, 2022 Moulin Rouge! Aaron's Last Show 

📷Yuko_AT_JPN
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2022年3月25日、アーロンのラストショーが5月8日(日)と発表されました。ついにきたか。

2016年9月にMR!舞台化の発表を見て「どうかアーロンをクリスチャンに!そしてTONY賞を受賞できますように(*゚。゚)m。★.::・'゜☆」と願ってから足掛け6年弱。2018年7月のボストンワールドプレミアプレビューオープニングウィーク、2019年7月ブロードウェイ公演オープニングウィーク、2020年2月BWシャットダウン直前、2021年のリオープニングウィーク&TONY賞受賞式と追いかけてきた身としては、やはり最後まで見届けて、長い旅の締めくくりにしたい。

というわけで行ってまいりました。5月1日〜8日までのラストウィークのレポです。(旅行記を兼ねてものすごく長いです)


ラストショー1ヶ月前の4月8日には、アーロンが「あと一ヶ月はこれを歌えるんだ」とロクサーヌのラストをオプトアップして歌い上げた動画をツイート。本当にもう、その日が待ち遠しいような、来て欲しくないような。

それでもついに出発の日がやってきました。


5月1日(日)NY到着、チケット購入、差し入れ、COMPANY、Moulin Rouge! 、インスタストーリー


朝10時にJFK空港に到着。イミグレに1時間半ほどかかって、エアトレインと地下鉄で12時半頃ホテルへ。残念ながらまだ部屋には入れず、チェックインまで荷物を預かってもらい、まずはMR!のアル・ハーシュフェルド劇場へ。やあ、久しぶり!


チケット購入

今日はCompanyのマチネがロッタリーで当たったし、予備日のつもりでMR!のチケットは取っていなかったのですが、日本を発つ前に「ファニーガール」に出演中のラミンがコロナ陽性で10日間休演になったニュースを見て、万が一にも週明けにアーロンがそんなことになったら何をしにきたかわからないと思い、ソワレを観ることにしました。

ボックスオフィスで「今日のチケットをできるだけいい席でお願いします」と頼んだけれど、もうサイドメザニンに7席しか残っていませんでした。「この中でも1番舞台に近いのはこれね」と勧めてもらった席を購入。飛行機に乗る前にはまだ同じ値段でオーケストラにもちらほら空席があったので、手数料を惜しまずに買っておけばよかった。


差し入れ

次は劇場のステージドアへ。


インターホンを押して、出てきたお兄さんに「マデュスさんと、トヴェイトさんにこれを渡してもらえますか?」とお土産と手紙の差し入れをお願いしました。「ありがとう!きっと喜ぶよ!」と笑顔で言ってくれて、ここのスタッフはみんないつも本当に親切で素敵。

ジェイ(マデュス)さんにはヨックモックのクッキー(これは定番)、アーロンにはAirish PlusのKF94黒マスクを一箱と、国産有機たまり醤油(GQの記事で料理にTamariを使うと書いてあったからさ…)。一応Stay safe & healthyの気持ちを込めたけど、日本からわざわざ持ってきてTONY Winnerに差し上げるお土産にしては妙なのは自覚しています😅。そもそも私のプレゼントは毎回ちょっとヘンなのだ。「また妙なものを差し入れしたので見て笑ってね」とアーロンにメールを入れて、8th Aveを挟んで向かい側のジェイコブスシアターへ。


COMPANY


14時からCOMPANYを観劇。これは私にとっては歌やセリフの意味がちゃんとわかる数少ないミュージカルのひとつ。アーロンがBobbyを演じた舞台を見に行くために、戯曲を全訳して覚えたからね。その時との演出の違いも味わえて興味深い。名曲ぞろいかつ名優ぞろいで大満足。よくお世話になる在米のフォロワさんにお会いできて超うれしい。

MR!は17時からなので3時間あるから大丈夫、とタカをくくっていたら、「開演は遅れるものだし、ショーストップで伸びて、インターミッションも長くなるとギリギリかも」というフォロワさんの読み通り(さすが)、16:50すぎにジェイコブスシアターを飛び出して、通りを渡ってアル・ハーシュフェルド劇場に駆け込むはめになりました。


Moulin Rouge!

5pm リアメザニン右サイドK18。舞台からこれだけ離れていればのめり込まずに気軽に見られる気がしたけど、気のせいでした。

ジドラーのダニーさん、ニニのロビンさん、アラビアのホリーさん、そしてお馴染みのアンサンブルの方々の多くが卒業してから初めて観るショー。プレイビルを見ると、アンサンブル28人中オリジナルキャストは8人になっていました。


エリックさんのジドラーはかなり映画に寄せた造形。お茶目だけど油断ならないタヌキ親父の雰囲気をめいっぱい醸し出している。そしてよく踊る。くるみ割り人形みたい。ママっぽさはあまりないので、ラストの方の「Make Momma proud!」だけはちょっとしっくりこない。

ジェシカさんのニニはロビンさんよりもクールビューティで感情抑えめな感じ。滑らかな色っぽさを感じる。

アンサンブルはほっそりした人が増えたのかな。以前より空間の余白が増えた感じ。しかもフレッドさん、ディランさん、フィンレイさんがお休みなので、人数も少ないのかもしれない。そんな中で、オリジナルのラ・ショコラとベイビードールのみっちりとした存在感がこの世界の雰囲気を支えています。

サティーンはアシュリーさん。2020年2月に観た時よりQueenの風格が増しました。次期サティーン本役の自信かな。

そしてアーロン。一層声に磨きがかかって、なんかもうすごい。Roxanne のラストを先日の動画のようにオプトアップして、大歓声が上がった。ラストショーまでこれで行くのかな。

遠くから観ても、ラストはやっぱり泣くわー。

フィナーレの紙吹雪もここまで降ってきて、華やかな気持ちになって終了。でもリアメザニンから外に出るまでには階段で渋滞してすごく時間がかかる…。アーロンはステージドアに出てくるのが早いので、間に合わなかったらどうしようと焦りました。

でもこの日はプリンシパルは誰も出て来ず、バンドやアンサンブルさんたちもきっちりマスクをして足早に帰って行きました。


インスタストーリー

ホテルに戻ったら、アーロンがショーの前に「今受け取ったよ!ありがとう!」と返事をくれていたのに気づきました。たまり醤油の蘊蓄にまで目を通してくれたらしい(蘊蓄好きそう)。お土産に添えた手紙に「あなたはどんなふうにこの長い旅を振り返っているかしら」と書いたため、ではないだろうけど(笑)、その夜、アーロンはインスタストーリーでみんなへの感謝を伝えてくれました。ファンから寄せられたファンアートを並べた中に私の贈った絵も入れてくれて、ありがとうありがとう。

↑Screenshot from Aaron's IG Story


5月3日(火)ホテル移動、Moulin Rouge!、ステージドア

ホテル移動

今日からは劇場のすぐそばのホテル。昨今のアジアンヘイト犯罪の多さが気になって、夜遅くなってもすぐに帰れる場所を選びました。でも昨年9月に泊まった時にはシンプルだけど合理的な使い勝手のいいホテルだったのに、今回は全く変わってしまっていました。

チェックインで長時間待たされた上に、予約時のリクエストとはまったく違う騒音のひどい部屋に通され、部屋を変えて欲しいとすぐにクレームを入れましたが部屋の移動は翌日にしかできないとのこと。おかげでCANCANシートのためのドレスアップも十分にできず、散々です。

でも気を取り直して劇場に行くよ!


Moulin Rouge!

7pm ソワレ CANCANシートH2 右ブロック2列目センター。ランウェイのすぐ右脇。

CANCANシートのゲストは入場時にワクチン接種証明書の提示が必要。マスクもKN95かKF94のみで、この席で飲食はできません。私はKF94のマスクをつけていたけれど、Usherのお兄さんが念のためにとKN95マスクもくれました。まあそれだけ危険度が高いということなのだろうけれど、「この世界の中」に入る楽しみには代えられない。

今回の旅ではCANCANシートはこの回だけ。今にして思えばこれがタムさんデュークのラストになってしまった公演。オリジナルキャスト3人のパフォーマンスを間近で見られたのは幸いでした。


クリスチャンが登場し、すぐ後ろを歩いて上着の裾が翻る風がこちらにやってくる。下手につくとゆっくりと顔をあげ、客席を見て薄い微笑みを浮かべる。この顔が好きだー。

そして指揮者のように優雅に手を広げ、舞台の幕を開ける。彼の手の動きと共に巨大なネオンが上がって行き、ゴージャスなLady MたちのオープニングナンバーLADY MARMALADEが始まる。何度見ても心躍る瞬間です。


この席はアンサンブルさんたちの視線や笑顔もたくさんもらえるのでうれしい。Welcome To The Moulin Rouge!では、ブリッジからこちらに向き直ったベイビードールのジェイさんが「Hiii!!」と懐かしそうに笑ってハイタッチできそうなほど近くに寄って手を振ってくれました。

初めてクラブに来たクリスチャンがトゥールースに連れられてブリッジ中央まで来てクラブを見渡すシーンも、客席からは後ろ姿ですが、この席からは「うわあっ!」とキラキラした顔をしているのが見えます。舞台中央に降り立った踊り子に手を差し伸べられると「よしっ!」とばかりにすごいいい笑顔でランウェイを渡っていくので、後ろ姿に「がんばれ!」と(小声で)応援を送ってしまいます。


私の周りのゲストがまたいいタイミングでいい反応をする方たちで、相乗効果でキャストの演技にも油が乗ってくる感じがたまりません。

気取っているくせに、ねずみのハーミシュにめちゃくちゃ驚くかわいいデューク。

エレファントメドレーでの幸せの絶頂のクリスチャンとサティーン。

その脇で、サティーンを含め全てを売り渡す契約をデュークと交わしてしまったジドラーの、ワイングラスを持つ手の震え。どれほど恐ろしい契約かが伝わってくる。

「銃のシーン」でのピリピリした緊迫感。

舞い降りてきた緑の妖精の顔を見て、アブサンでもサティーンへの思いを焼き尽くせないと知ったクリスチャンの表情と、それでも追い求めずにはいられない狂おしさ。

真横で歌われるロクサーヌの大迫力。

サティーンに「Nothing!」と拒絶されたクリスチャンの頬を伝う涙。

悲嘆のどん底の"Crazy"から、青白い怒りの炎を放出するような"Rolling"へのクリスチャンの変貌。

"My muse" "My genius"と最期の挨拶を交わすトゥールースとサティーンの目に光る涙。

過去30回ほど見た中でもベストの舞台の一つでした。


今回初めて気づいたのが、サティーンの魂が天に帰るシーンのクリスチャンの表情。

腕の中でサティーンが息を引き取り、彼女を安心させようと浮かべていた微笑みが消え、悲しみを堪えてHow wonderful life is...と呟くと涙が流れ落ちる。天をあおいで嗚咽し、顔をくしゃくしゃにして彼女をかたく抱きしめる。その周りに踊り子たちが集まってきて二人に向かって手を差し伸べる。天から降りてきたまばゆい一筋の光に二人が包まれ、鐘の音と共に皆が一斉に天を仰ぐ。大輪の花が開いて、サティーンの魂が昇っていくのを見送るようなとても美しいシーン。

今回目の前で見たら、クリスチャンはサティーンを抱きしめたあと、眉根は寄せているもののいっそ穏やかな表情で微動だにせず白い光に包まれて、ああこの時、彼の心もまた彼女とともに一度天に召されたのだな、と感じました。そしてその俯いた顔とサティーンを抱いて白く輝く姿は、ミケランジェロのピエタに少し似ていると思ったのです。


サティーンのなきがらが運ばれていき、生き残ってしまった悲しみに俯いていたクリスチャンがゆっくりと顔をあげ、語り始める。

「日が週になり、週が月になり…僕はまた書き始めた。ラブソングを。僕たちの愛の歌を」

彼の顔に生気が戻ってくるが、その表情は以前よりずっと大人びている。

「こうして、自分を探しにパリにやってきた若者は、その代わりにこのすべてを見つけた。自分の居場所。愛する人々。そして一人の女性…。そのひとは、人生で大切なことの全てを教えてくれた。」

「Truth (真実)」とジドラー。「Beauty (美)」とサンティアゴ。「Freedom (自由)」とトゥールース。クリスチャンが万感の思いを込めて、「...Love (愛)」。

そしてCome What May。サティーンとふたりでハッピーエンディングを信じて歌った歌を、今はひとりで歌い始める。途中から彼が愛する人々が加わり壮大な愛の讃歌になる。その歌が終わるとき、クリスチャンのスポットライトを残して舞台がだんだん暗くなり、亡霊のようにLady Mがブリッジに現れ、LADY MARMALADE のおなじみのオープニングが聞こえてくる。

HEY SISTER, GO SISTER, SOUL SISTER, FLOW SISTER...

最後にクリスチャンがまっすぐ前を見つめ、幕を開ける時に見せたのと同じ薄い微笑みを浮かべて、暗転。

こうして再び物語の最初に繋がってひとつの円になっているのが、ものすごくかっこいいと思うんですよ!(力説)


ステージドア

MR!のステージドアは感染対策を徹底しています。サインもセルフィーもなしで、柵の外に並んでいる観客の前を通り過ぎるだけ。

今日はアーロンが出てきました!誰よりも早く出てきて、スタスタ歩いて道路脇に待たせていた車に乗って帰ったのですが、途中で私を見つけると、自分のマスクをちょんちょんと指差し、Thank you!👍と言ってくれました。差し入れのマスクを使ってくれて、こちらのほうがThank you!!!ですよ!

何人かのアンサンブルが拍手を浴びながら出て行き、「今日はこれでおしまいです」とセキュリティが宣言して柵を片づけ、人も散り始めた頃、帽子をまぶかに被ったタムさんが出てきました。あまり騒がれたくないのかなと思って、すれ違うときに小さな声で"Hi Tam!"と声をかけたら、にやっと笑ってすごいかっこいいウインクをくれました。ほれてしまうやろ、デューク。

今日はホテルは散々でしたが、舞台の素晴らしさとSDでのうれしさが疲れを吹き飛ばしてくれました。

でも2時すぎに廊下で大音量で音楽をかけながら何事かを怒鳴り続ける女性がいて目が覚め、全く止む気配がないのでゲストサービスに連絡したらセキュリティが来ておさまったけど、そのあと眠れなかったよね!


5月4日(水)ホテル部屋移動、Moulin Rouge!

ホテル部屋移動

部屋を移動することになったけど、一旦チェックアウトしてまた16時にチェックインしろと。本来なら旅装を解いてゆっくりできるはずの時間、Music Manのマチネのラッシュに行こうと計画していたけれど、荷造りと寝不足と疲れで気力が湧きませんでしたね…。

チェックインでまた揉めましたが「ご希望の部屋を用意します。冷蔵庫のある部屋です」と割り振られた部屋は、とても静かで、眺めが最高でした。眼下にアル・ハーシュフェルド劇場が見える。うれしい。

でも冷蔵庫がないんですよ。部屋のどこを探してもない。正直者には見えない仕様なのか。


Moulin Rouge!

 8pm ソワレ 左サイドオーケストラ11列目M1 通路脇なので視界は良好。

今日のデュークは、最近BWデビューを果たしたスイングのADAM J. LEVYさん。ローラ姫(オズネス)のディズニープリンセスパーティコンサートのプロデューサー兼プリンスを務めた経歴の持ち主。デュークのアンダースタディには名前が載っていないけれど、フィンレイさんが休暇中、ディランさんは多分まだ療養中なので、急遽白羽の矢が立ったのかな。でも歌も演技も出のタイミングなども完璧な仕上がり。BW俳優の層の厚さは計り知れないな、と思いました。

アダムさんは、歌のインパクトは少し弱いけれど、タムさんのナチュラルボーン俺様な大人の色気ムンムンデュークとは違うタイプの、優雅なプライド高いプリンス系デュークがはまり役でした。声も少しアーロンに似て甘い。これが物語に新しい色合いを与えて、とてもよかった。強引でない、物腰も情事も超洗練されているデュークにサティーンが心を動かされたことがわかるし、そのデュークの「すべてが私のものだ」という言葉に向き合わざるを得ないクリスチャンの苦い苦しみが一層深くなる。

昨日の舞台はベストだったけれど、ここにきてアーロンの表現がさらに進化して、クリスチャンが嫉妬という感情を知り、それに翻弄され、自分の甘さを嗤い、サティーンの拒絶で糸がプッツリと切れる様子がより鮮やかになりました。

この期に及んでこんなに進化するなんて、ラストまでにどんな高みにまで行ってしまうのでしょうか、アーロン。カーテンコールでは普段にも増して嬉しそうな顔でした。

ステージドアでは、アダムさんが初プリンシパルでご両親やメンターやお友達が大勢観にきていたらしく、大歓声で迎えられて祝福を浴びていました。アーロンのSDはありませんでした。


5月5日(木)アッパーウエスト散策、Moulin Rouge!

アッパーウエスト散策

ようやく部屋に落ち着いて荷物を解くことができて、ほっと一息。久しぶりに天気がいいのでアッパーウエストのゼイバーズとトーレーダージョーズにお土産を買いに行きました。ついでにGrub Streetの記事でアーロンがコーヒー豆を買っていると言っていたIrving Farmでコロンビアを買って、リバーサイドパークで休憩。おっ、ニューヨーク旅行っぽくなってきたぞ。


Moulin Rouge!

7pm センターオーケストラ 5列目中のセンターG109

いままで人的パーシャルビュー(前にすごく背の高い人が座って舞台が見えない)を恐れて取ってこなかった「プロデューサー席」に、最後なのでチャレンジ。役者の表情もセットも完全に真正面からよく見える、完璧な景観がすばらしいです。これはハマる。

今日からサティーンはナタリーさん。デュークはアダムさん。このデュークとクリスチャンのパワーバランスは絶妙で本当に目が離せません。今日もアーロンはすごくエモーショナルでした。いやーいいもの見た!


5月6日(金)タムさん離脱、Moulin Rouge!、ステージドア


タムさん離脱

タムさんがコロナ罹患でラストショーを待たずに離脱するという悲しいニュースを発表。


Moulin Rouge!

7pm センターオーケストラ 15列目センターQ109 

Audience Rewardsで貯まったポイントを引き換えた席。リアオーケストラの中では前の方の見やすいいい席です。ありがとうございます。

今日は新デュークのDECLAN BENNETTさんが予定より一足早くデビュー。タムさんを踏襲した俺様系デュークで、歌が力強くてうまい!デクランさんは「ジーザス・クライスト=スーパースターin コンサート」のジーザスとして来日したことがあるそうです。

お顔立ちか表情のせいか「若い頃からやんちゃしてました。いまは落ち着きましたけど」という感じのデューク。これから変わっていくのかもしれませんが。

まだちょっと場に馴染みきってはいない感じで、おっと勢いありすぎでは、とか、あらちょっと出るの遅れましたね?みたいなズレが時々みられました。思えばアダムさんはスイングとして既に1ヶ月ほど舞台に出て馴染んでいたけれど、デクランさんはスタジオリハーサルからいきなり本番だったのではないでしょうか。その調整は大変ですよね。

アーロンは昨日までのように役に入り込んでエモーショナルになることはありませんでしたが、金と権力でねじ伏せてくるデュークvs愛と理想を信じるクリスチャンという昨日とはまた違った関係性を作っていると感じました。


ステージドア

今日からいらしたフォロワさんとSDで待っていたら、きました、アーロンが!スタスタ行ってしまいそうになったところを呼び止めて、お土産を渡せました。よかった。でもその様子を撮影しようと思っていたのに失敗してしまって、くやしいい。

ホテルに戻ってお茶しながらおしゃべりできたのも、とっても楽しかったです。


5月7日(土)Moulin Rouge!、ステージドア、Moulin Rouge!


Moulin Rouge!

2pm センターオーケストラ5列目 右端G104 

土曜マチネはMusic Manと迷った枠だけど、やはりMR!にしました。しかも奮発してG列。でも今回は客席側の空気がものすごく雑で、いまいちでした…。

どんな場面でもアーロンが歌い出すと奇声をあげて手拍子する観客が多数。狼のような遠吠えをする客も。コンサートと勘違いしているみたい。あちこちで電話の呼び出し音が鳴る。私の後ろの席の二人はずっとおしゃべりをしていて、「シーッ!」と1,2度言ったくらいでは止まらない。挙句にかかってきた電話に出たよ!

そんなわけでこちらも集中してみられないし、キャストも、もちろんいつも通り素晴らしいけれど、感情的な高まりはなかったように感じました。値の張る席でもこういうことがあるのはある意味ギャンブルですね…。

とても寒い日でライトダウンを着てきたのだけれど、これが災いして睡魔にも襲われました。よりにもよってラストのCome What Mayの途中に気が遠くなり、はっと目を覚ましたらアーロンと目があった(気がする)。白目をむいていたのを見られたかもしれない。死にたい。

でも面白い発見もありました。

・クリスチャン・トゥールース・サンティアゴのボヘミアンズが初めて登場するBurning Down the Houseの冒頭。ボックス席でデュークに侍っていたニニが、そのすぐ下に来たサンティアゴの頭を上からポカスカ殴って、サンティアゴはいたいいたいやめてくれみたいになってました。どうやらこのカップル、ショーが始まる前に喧嘩をしたらしい。かわいい。

・2幕が始まる時、クリスチャンは客席下手の最後列のドアから入ってきて壁沿いの通路を通って舞台に上がってくるのですが、入ってくる時にはマスクをしていて、歩きながらそれを外してポケットに入れました。舞台の上のモノローグを聞きながら、今クリスチャンの上着のポケットにはマスクが入ってる、と思うとなんだか不思議なおかしみが。


ステージドア

またさくさくと歩いていくアーロンを見送りました。完璧にただのパパラッチです。


Moulin Rouge!

8pm センターオーケストラ 21列目最後列W108

今夜はBW公開から500回目の公演。バックステージでのお祝いの様子はこちら。

プレイビルには記念のカードが入っていました。

デクランデュークもこなれてきました。俺は愛されて当然だろというタムさんデュークと違って、俺様ですがサティーンの愛を求めることに関しては妙に真剣、という、「愛」の部分でクリスチャンとバチバチぶつかるデュークになっていて、面白いことになってきたぞ。

そして今夜のロクサーヌの凄かったこと!

間奏でブリッジを渡り終えた後、いつもならPut on the red lightを繰り返すパートを、シャンデリアのOn for tonight / Won't look down, won't open my eyes / Keep my glass full until morning light / ‘Cause I’m just holding on for tonight/ の変奏にして、すごい迫力でHelp me I'm holding on for dear life / Help me I'm holding on for dear lifeに繋げてきました!クリスチャンの崩れ落ちる一歩手前の心が苦しいほどに伝わってきます。

あまりに素晴らしかったので、アーロンに「今夜のロクサーヌは息が止まるほど素晴らしかったんだけど、あれはインプロなの?」とメールを送ったら、「ありがとう!あれは変更される前の古いバージョンなんだ。もう一度歌う機会をもらえて本当に感謝してるよ」と教えてくれました。この夜だけの特別バージョンで、聴けた人はラッキーでした。


5月8日(日)心の準備、Happy Trail サークル、Moulin Rouge!、ショー中断、Show Must Go On、第四の壁を越えて、エンディング、カーテンコール、ファイナルボウ、ステージドア、インスタストーリー

心の準備

あっという間にもうラストショーの日です…。

Happy Trail サークル

開演前の舞台の上にキャストが集まって、Happy Trailサークル。Tillyさんがインスタライブをしてくれました。スピーチをしたアーロンは泣いてるし、もらい泣きしたリッキーさんはスピーチできなくなってる。

Instagram @tilly_ek  https://www.instagram.com/tv/CdT2a_ZKNTc/

Moulin Rouge!

5pm サイドオーケストラ 15列目通路脇 Q2

これがアーロンのラストショー。座席争奪戦に出遅れて前方席が取れなかったけど、見晴らしの良い通路側を確保できてよかった…。

プレショーにクリスチャンが登場した瞬間から、盛大なスタンディングオベーション。ブリッジを渡り下手についても拍手は鳴り止みません。いつものようにゆっくりと客席を見渡し笑みを浮かべると、一層の歓声があがります。今日は微笑んだまま幕を開け、昇っていくネオンをずっと見上げていました。


ショーの中断

4人のLadyMたちの大迫力のオープニングLADY MARMALADEが終わり、ジドラーが登場しておどけた口上を述べ、いよいよカンカンが始まるその時、"Ladys and gentlemen..."とアナウンスが入って、ショーが中断。俳優はみんなはけて行ってしまいました。まだ始まって5分も経っていません。ちゃんと聞き取りができなくて辛いのですが「てくにかるいしゅー」って言ったよね…?どうか疫学上の問題ではありませんように、最後までショーができますように、と昨年12月、観客が劇場に入ったにもかかわらずCovidによる公演キャンセルが告げられたニュースを思い出して、祈るような気持ちで再開を待ちました。


Show Must Go On

10分ほどしてショーは再開。見ていると、舞台中央の階段状のせりが上がらなくなってしまったようです。モンマルトルの丘や「銃のシーン」の舞台、Bad Romanceの決めシーンなど、ここを使う大切な場面がたくさんあるのに。ラストショー、完璧な状態で演じさせてあげたかったな…。(なんで上から目線?)

アーロンたちはそんな不都合を微塵も感じさせずに、観客をムーラン・ルージュの世界に引き込んでいきました。

モンマルトルでの出会いのシーンでは、トゥールースが「こいつは俺の友達のサンティアゴ・ディエゴ・ロメロ・ルイス」と言った途端にワーッと大喝采が起きて、しばらく鳴り止みませんでした。リッキーさんちょっとだけ泣きそうな顔したよね。すぐサンティアゴに戻ったけど。

その後の物語は全てが全力のパフォーマンス。何度も何度もスタンディングオベーションが起きました。


第四の壁を越えて

サティーンを失った後のクリスチャンのモノローグ。「こうして、自分を探しにパリにやってきた若者は、その代わり…」ここで一旦言葉を切ると、アーロンに戻って微笑み、第四の壁を越えて「He found all of THIS. このすべてを見つけたんだ」と私たち全員に向かって腕を広げました。それに応える長い長い拍手と歓声の間、アーロンは感慨深げに客席を見つめていました。


エンディング

"Come What May"と歌いながら、クリスチャンが舞台のボヘミアンたちの方を向いてみんなを見渡すパートで、今日はみんながクリスチャンを見つめて目で挨拶を交わしているのがわかる。特にサーさんやリッキーさんの優しい顔ときたら。歌の途中からもう客席みんな立ち上がって、惜しみない拍手喝采を送りました。

そして最後にLady Mたちが前に出てきて、HEY SISTER, GO SISTER, SOUL SISTER, FLOW SISTER...と歌う。ライトが落ちる直前、クリスチャンは、いつもは前を見つめて幕を開けた時と同じようにうっすら微笑んで、この物語の始まりのショーに戻ってきたことを予感させるのだけれど、このラストショーでは天を見上げて、目を閉じたところで暗転だったんですよ。ああこれでもう本当にショーは終わったんだな、と思ったらもう😭。

そして再びライトがついた時、アーロンは両手で目頭を押さえて泣いていました。

そこから2回、みんなでお辞儀をする間に立て直して、笑顔でフィナーレに入りました。

この方のインスタの7番目がまさにそれ

Instagram: @merissaarose

https://www.instagram.com/p/CdWtsSPPooB/?igshid=YmMyMTA2M2Y=


カーテンコール

アーロンはカーテンコール用の上着を着ずに登場。なんだか新鮮です。

Moulin Rouge! The Musical Aaron Tveit Ricky Rojas Tam Mutu Natalie Mendoza Final Curtain Call 5/8/22 📹ren598


ファイナル・スピーチ

サーさんが「アーロンは常に素晴らしいリーダーだった」と謝辞を述べると、ちょっと照れて嬉しそうに笑うアーロンの肩をリッキーさんがキュッと抱く。かわいい。

アーロンがスピーチをしようとして「マイク外してきちゃったんだよ。なんでだろう」と言うので、リッキーさんとナタリーさんが自分のつけているマイクを貸してくれようとするのも可愛い。「ほら、俺のを使え」と寄ってくるリッキーさんを「舞台俳優だから大丈夫」と引き離してスピーチを始めるアーロン🤣


moulinrougebway 公式TikToc

https://www.tiktok.com/@moulinrougebway/video/7095796736412929326

ファイナル・ボウ

クリスチャンとしての最後のおじぎ。

ステージドア

かなり早く劇場の外に出たのですが、既にたくさんの人たちがSDに並んでいて黒山の人だかり。アーロンはSDの入口でみんなに挨拶して、楽屋に戻って行きました。

ホテルに戻ってちょっと仕事を片付けた後に、同じホテルにいらしたアーロンファンの方達とおしゃべり。コーヒーとNYチーズケーキを食べながら、今撮ったばかりのカーテンコールやファイナルスピーチを見たり、ここ感動した〜!とわかちあったり、かと思えばゲームのことを教えてもらったり、お泊まり会みたいで楽しかった。基本一人で行動するのが好きな私ですが、観劇の後にこうしていろんなお話を聞けるのはほんとに楽しいですね。


5月9日(月)

帰国の日。朝日を受けた街がとても美しかった。

さよなら愛しの劇場。

アーロンがHappy Trailsのストーリーをリポストしてくれていました。

長い旅を締めくくるうれしい思い出です。

Aaron Tveit Japan Fan Site (unofficial)

Broadway Boyfriend, Drama & Movie Star TONY Winner アーロン・トヴェイト日本私設ファンサイト