2016年 『ブレインデッド(CBSドラマ)』 ギャレス・リッター役【主演】

Gareth Ritter, BrainDead 

gif: via GIPHY

シーズン1 June 13, 2016 - September 11, 2016

【概要】

ブレインデッドBrainDeadはCBS制作の政治SFコミックスリラー。アメリカの首都ワシントンDCの上院議会を舞台に、2016年の大統領選(ヒラリー・クリントンVSドナルド・トランプ)の映像なども交えてSFと政治ドラマをうまくミックスさせたシリーズである。スティーブン・キングもツイッターで賛辞を寄せていた。

アーロンがブレインデッドの番宣をしているビデオ。かっこいい

【あらすじ】

ギャレスは共和党の実力者レッド・ウィタス上院議員の首席議会補佐官。ヒロインのローレルは、レッド・ウィタスと対立する民主党上院議員の兄ルーク・ヒーリーのもとで働くケースワーカー。本業はドキュメンタリー映像作家だが、資金難のためにやむなく6ヶ月間だけ兄を手伝うことになった。

ローレルは、陳情に来た女性から隕石の輸送に関わった夫の人格が変わってしまったと相談を受ける。調査をするうちにグスタフやロシェルと出会い、宇宙から来た謎の虫がDCの議員たちの右脳を食べて繁殖し政策にまで影響を及ぼし始めていることに気づく。彼らは虫の侵略を止めることができるのか…?というお話。
ローレルまで虫に感染したり、それをギャレスを巻き込んで突飛な方法で除去したりとスリラーとロマンスも程よく散りばめられ、飽きずに各エピソードを観ることができる。

相関図を作ってみた。

(相関図、スクリーンショットは@Yu_at_JPN)

【おすすめのアーロン 一部ネタバレ含む】----------

ギャレスは最初は「裏がありそうな皮肉屋の切れ者」ふうにかっこよく出てきた。

スカした感じで政敵のローレルを騙したりもした。

ロマンスにかけても、もの慣れてる風だったけど…

ストーリーが進むにつれ、ギャレスのキャラクターがどんどん温かさを増して、これはアーロンの持ち味かなと思った。6話あたりから急に、ローレルには押し倒されるし求められれば断らないし、

でもほんとはちょっと時代遅れなくらいの手順を踏んで恋愛をしたい究極のロマンチストであることが発覚するし

L:What do you want? どうしたいの?
G:For things to be normal. I want to talk and joke and take you out to dinner. And pay. And then kiss you on your stoop one night and feel awkward about calling you the next day. And then I talk to my friends and they say not to call because I'll come across too vulnerable, but of course, I call anyway. And then we're, I don't know, happy and a little awkward on the phone together.  普通にしたいんだよ。君と冗談を言い合って、夕食に連れて行きたいんだ。もちろん僕がおごる。ある晩、君の家の前の階段で君にキスして、翌日君に電話をするのが照れくさくなる。友だちに相談するとそんな時に電話なんてかっこ悪いからやめておけと言われるけど、もちろん、とにかく電話する。そして僕たちは電話越しに、なんていうか、お互い幸せでちょっと気恥ずかしい気分になるんだ。
L:Okay. Let's do that. Why can't we do that?  いいわね。そうしましょうよ。なぜできないの?
C:Because you were yelling at me to go faster while you ate chocolate and salami. だって君、あの最中にサラミとチョコ食べながら「もっと早く」とか叫ぶし。

そのあとやっと理想のノーマルデートができてよかったね。撮影の日の夕方、偶然ワシントンの空がこんな風に美しく染まったのだそうだ。とてもロマンチックなシーンだった。

ギャレスは頭が切れるから、侵略を止めるためのここぞという大事な発見もたくさんするけど

自分の政治的思想には頑固で、そのためにちょっとまぬけっぽかったり辛い思いをしたり(させたり)する。

(左)過去に何人と寝たかはどうでもいいけど中絶したかはすごく気になるギャレス氏(共和党の政策綱領で中絶は絶対に許されないとしている)。(右)映画監督のマイケル・ムーアが大嫌いなあまり妄想が頭から離れないギャレス氏(マイケル・ムーアは反共和党で、『華氏911(Fahrenheit 9/11)』を2004年共和党のブッシュの大統領の再選を阻止する目的で公開した)。


上司のレッド・ウィタス議員が頭のなかに虫を飼っているのを目撃してしまい、自分が信じていた「普通」の世界が一転してエイリアンの虫に侵略されつつあるおかしな世界に変貌して、混乱して子どもみたいに不安そうにしていてローレルに慰められるのもかわいらしい。

G:Whet's happening in the world? この世界に何が起きてるんだ…
L:Same thing as usual. Disruption. People Don't like normal. いつもと同じよ。大混乱。みんな普通にしてるのが嫌なのよ
G:I like normal. 僕は普通が好きだよ
L:That's why I like you. だからあなたが好きよ
G:You'll keep the bug away? 君は虫を追い払える?
L:Yes. 大丈夫よ

ツイッタのお友達に教えていただいたのですが、こうして後ろから抱いて添い寝することを、スプーンを重ねたような形になることからSpooningというそうです。2人のツイッタのやりとりがかわいい。



ギャレスのパパとママはひと昔前の典型的なファミリー。ママはピンク、パパはブルーの服。トースターを15回も修理して使っている。いまだにコード付き電話機。ママは独り身の息子を心配してやたら縁談を勧めてくる。そして生粋の共和党員。

この家庭で愛されて育ったギャレスの「普通」が、前衛的なローレルの「普通」とズレているところにドラマが生まれている。

ローレルのドキュメンタリー映画に資金援助がついて、1週間後にはDCを離れるという話を聞き、内心ショック。酔っ払わないとプロポーズもできません。

「行ってもいいけど…結婚しよう」言うだけ言って、答えを聞かずに帰ってしまう。

その後、ウィタス議員のブレイン(文字通りw)であるギャレスを亡き者にしようとする暴漢に襲われる。

プロポーズの返事もしていないのにあなたを失うかと思った、と言うローレルに、巻き込んではいけないと思ったのか「あれは酔った上でのジョークだ」とつっぱねる。そしてローレルから「一緒に来て。ソロモン諸島に。私を手伝って」と逆プロポーズ。ギャレスは「手伝うって、麦わら帽子をかぶって焚き火で食事を作ったりとか?」と笑うが、真面目な顔になって、

G:I'm not doing that, Laurel. I can't be your ...kept man. I'm not that person. それはできないよ、ローレル。君に…養われる身にはなれない。僕はそういうタイプじゃないんだ。
L:Then what do we do?  じゃあ私たちどうしたらいいの?
G:We do what we need to do. I need to stay and you need to go. すべきことをしよう。僕はここにいるべきだし、君は行くべきだ。

自分の仕事には誇りを持っていて恋愛には代えられないし、相手も尊重する所がかっこいい。ギャレスの少し古臭くて不器用な感じが、アーロンにも通じていてとても好きだ。


そしてもちろん、

L: God, you're sexy.

ですよ。

シーズン最後のシーンも可愛らしい。

G:How many kids do you want?  子どもは何人欲しい?
L:Zero. Why? How-how many kids do you want?  いらない。なぜ?あなたは何人欲しいの?
G:The normal amount, like five or six. 普通くらい…5人か6人かな

前途多難www。シーズン1で終了してしまったのが惜しまれる面白いドラマだった。


(画像の転用はご遠慮ください。2016.11.01)

発売中のBrainDead DVD(米国版リージョン1)やギャグリールについてはこちらの記事をどうぞ。

Aaron Tveit Japan Fan Site (unofficial)

Broadway Boyfriend, Drama & Movie Star TONY Winner アーロン・トヴェイト日本私設ファンサイト