2019年 『Out of Blue』Tony Silvero役

Tony Silvero, Out of Blue Mar. 22, 2019

📷 Austin Hargrave, The Hollywood Reporter  

監督のキャロル・モーリー、主役のパトリシア・クラークソンと。

公式サイト

あらすじ(公式サイトより)

殺人課の刑事マイク・フーリハン(パトリシア・クラークソン)は、ニューオーリンズでの一流天体物理学者ジェニファー・ロックウェルの殺人事件の捜査中に、ひとつの謎に直面する。それは予想もしなかった形で彼女に影響を与え始めた。

捜査が深まるにつれてより暗い世界が徐々に明らかになり、彼女はあらゆるスキルと経験を駆使して、殺人の背後に広く散らばった虚実の断片をつなぎ合わせなければならない。

「アウト・オブ・ブルー」 は、一人の刑事が真実を探求することにより彼女の世界観と存在そのものが不安定になり始める、見逃せないネオノワールのミステリーだ。


トレーラー&クリップ

1.サングラスをしたトニー刑事が事件現場に入る姿がちらりと映る。ほんのちらりと。

2. ダンボールのお友達とともに登場。

3.このシーンでトニー刑事の出番はおしまい


<ネタバレ注意>

宇宙とブラックホールの深遠なイメージとシュレーディンガーの猫のパラドクスの不条理を人間の深層心理と重ね合わせた哲学的なクライムドラマ、とでも申しましょうか…。


アーロンが演じるトニー・シルヴェロは主人公マイクの同僚刑事。序盤のジェニファー・ロックウェル殺人事件を捜査するシーンではマイクとともに度々登場する。町を恐怖に陥れていた「38口径の連続殺人犯」との手口の類似性を指摘したり、ジェニファーの恋人の不自然な証言をプロファイリングして彼を疑ったりするが、証拠は出てこない。

ある時、不可解な証拠品にトニーがふとつぶやく皮肉な疑問がマイクにインスピレーションを与えて「殺人」事件は解決する。その裏付けがとれたのが上記のビデオのシーン。トニーは「捜査は終わりだ」のセリフを最後にぱったりと姿を表さなくなり、物語はジェニファーの死の背後にある謎に絡んだマイクの自己探索の旅になっていく。

(終盤でちらっとだけ、仕事中にマイクからのハンバーガーの差し入れをニコニコ受け取って、それを惜しげもなく周りの同僚に配って自分は何も取らずに席に戻っていく姿がみられる)


トニーは物語にはあまり大きな関わりのない役だ。一人くらい若い衆がいないと、という画面の平均年齢を下げるための役っぽいのは否めない…。

しかしアーロンの演技はトニーを意味のある存在にした。

主人公のマイクは事件解決のレジェンドと呼ばれる一匹狼的なベテラン刑事。トニーはちょっとスカした観察眼の鋭い生意気な若手。彼は一見浅そうに見えるが、尊敬する年上の同僚の不穏な変化にすぐに気づく、母を気遣う息子のような思慮深さがある。でもマイクは決してそこに寄りかかってはこない。あえて受け取らないのかもしれない。この甘さのない母と息子のような関係性が、男性同士の父と息子的関係ともひと味違って新しい感じがする。マイクを気遣うトニーの瞳が印象的だ。

映画が終わると、トニーの気遣う視線をマイクが受け止めなかったのは、彼女が無意識に封じていた記憶の反動では、と深読みしたくなる。

たぶん脚本にそこまでは書いていないだろうけど、そんな存在感がトニーにはあった。


公式サイト

2019年9月03日 
アマゾンUK、DVD とブルーレイ+デジタル発売開始。
DVD £9.99   ブルーレイ+デジタル £12.99

Region B/2  Blu-rayリージョン:B DVDリージョン:2 (PAL形式)  

リージョンが英国仕様なので、日本の一般的なプレイヤーでは見ることができない。DVDをPCで見ることはできるかも?

日本のリージョンはBlu-rayリージョン:A DVDリージョン:2 (NTSC形式)  

2019年3月22日 
英国・アイルランド・米での劇場公開

北米版iTunes レンタル開始  $4.99 購入$14.99


2018.10.13

ロンドン映画祭(LFF)スペシャルプレゼンテーション部門で上映。

2018.09.08

トロント国際映画祭(TIFF)で"Out Of Blue"ワールドプレミア上映。アーロンも会場に現れた。子犬と戯れるシーンも。

写真:The Hollywood Reporter

写真:People

2018.09.06

初のトレーラー公開。ダンボールのお友達とともにトニー登場。


2018.08.21

カナダ・トロントのTIFF18フィルムフェスティバルで、"Out Of Blue"ワールドプレミア上映。

9/7〜9/9、9/11、9/14、Winter Garden シアター。チケット購入等は下記サイト。


2017.11.19

「Out Of Blue のキャストとクルーのみんな、撮影終了おめでとう!!このプロジェクトを贈ってくれた(監督の)Carol Morley、輝いていて、この船を先頭に立って導いてくれた(主演女優の)Patricia Clarksonに感謝を。そしてニューオーリンズの街にも!近いうちにみんなに会えるのが待ち遠しいよ!」そして膝www。


2017.11.06

バークシャーシアターアワード発表の直後(最優秀男優賞にノミネートされていたけれど、惜しくも受賞を逃した)の映画監督のインスタ。ちょっと寂しそうな笑顔だな、と思うのは深読みしすぎかな。

With the wonderful @aarontveit who stars in #outofblue!

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「夜中の2:30の撮影現場。親友のダンボールの切り抜きにアドバイスをもらい始めた。そして僕の口から光が出てきた」はいはい、たとえゴールドのネックレスしててもかっこいいですよ。


2017.10.30

アーロンの役名がIMDbに掲載されました。トニー・シルヴェロTony Silveroですって!どんな役柄なのでしょうか。

Out of Blueの原作Night Trainの試し読み(冒頭数ページ)を発見しました!トニー・シルヴェロ(原作ではSilvera)は主人公マイク・フーリハンの同僚の刑事で、今までいくつもの事件を彼女と共に担当してきたようです。


2017.09.08

アーロンは「カンパニー」が終わった後は、アトランタで映画の撮影に入ると語っていました。

下記のBillbord on Brordwayのインタビューでは、タイトルはOut of Blue。独立系映画でBBCフィルムの制作でクールでブリック(どんな意味?)でヨーロピアンなクライムドラマだと言っているような気がします。ヨーロピアンと言いつつアメリカの家族の物語だけど、と笑ってるみたい。30:40あたり。

IMDbにも情報が載り始めました。公開が2018(UK)となっているのは、BBC制作だからイギリスで公開、ということでしょうか?

あらすじ

探偵のマイク・フーリハンが、天体物理学者でありブラックホールの専門家であるジェニファー・ロックウェルの射殺を調査するために呼び出されたとき、彼女は理解するのに苦労するような方法で影響を受ける。

…なんのこっちゃ(すみません英語の壁が高くてうまく訳せません)。

When Detective Mike Hoolihan is called to investigate the shooting of leading astrophysicist and black hole expert, Jennifer Rockwell, she is affected in ways she struggles to comprehend.

アーロンはインタビューで探偵の役だと言っていたので、おそらくこのMike Hoolihan役ではないかと思うのですが、2017.9.8現在、IMDbにはまだ役名までは載っていません。もしMike役ならばあらすじから言って主役あるいは準主役だと思います。

(2017.09.08)


IMDbのソース記事がリンクされていたので読んでみました。

(2017.0916)

Out Of Blueの原作はMartin Amisのネオ・ノワール探偵小説「Night Train」。

Patricia Clarksonが主役のマイク・フーリハン…あら?マイク・フーリハンは女性だったか…。アーロンじゃなかったね…。

あらすじの続きもありました。

現代のアトランタを中心に展開する探偵の真実を求める探求は、彼女の世界観や彼女自身を揺るがす。エイミスの小説は、ジェンダーやトラウマの問題も探っていく。

Revolving around contemporary Atlanta, the detective’s quest for the truth destabilizes her view of the world, and herself.

Amis’ novel also explores questions around gender and trauma.  

米ウィキにNight Trainが載っていました。しかしこれを読んでもアーロンの役になりそうな人物は書いていない…。